桂川連理柵 観劇・感想 2月文楽公演 |国立劇場小劇場

人形浄瑠璃文楽公演 第一部 桂川連理柵 かつらがわれんりのしがらみ

みなさーん 今回のダメ男は刀を盗まれた上に、よその小娘を孕ませますよ~。あらま。毎度、心中物はつっこみどころ満載。

わりと空席目立ち、8割くらいの客入り。

桂川連理柵

上演時間

石部宿屋の段 24分
六角堂の段  17分
休憩     25分
帯屋の段          1時間11分
道行朧の桂川 21分

11時開演 13時44分終演

座席 見え方

9列目の下手はじの方。特に問題なし。

演目  桂川連理柵  あらすじ・演者

作者 菅専助
石部宿屋の段/ 六角堂の段 / 帯屋の段 / 道行朧の桂川

桂川連理柵あらすじ

2月文楽 演者

感想・おぼえがき

昼メロと橋田寿賀子ドラマの鬼姑、そして少女に手出しして・・。心中ものだけど愛し合っているわけでもないというところが収まり悪く、なんとも。もちろん娘 お半の方は一途な気持ちで、「人が尋ねりゃ長さんが、たんといとしと言うた…」くらい恋い焦がれていたわけだけど、長右衛門にはそこまでの感情はなく。一緒に身投げしなくてもいいんではないかと思うくらいで、むかしの芸子との心中話をもってきてそこに強引に愛を見出すのものもなんだか無理がありますし。

まともな人は長右衛門妻のお絹と父の繁斎くらい。お絹は「夫に飽かれぬよう」「名さか(=悪評)立たぬよう」とお百度参り。貞女ぶりを発揮して旦那からも「言いやることが通りだらけ」といわれるほど。旦那の愛を守り家を守ろうとするけど、その家にも敵が多くて…。こんなお絹に同情こそすれど共感・・できない。当時の観客はできた?いや、できないでしょうよ。そんなにいい女房しなくてもいいんじゃ?って。

妹同然のお半に手をだし、刀をなくし、さらにはむかし芸子と心中し損なったりと、まあ長右衛門のダメっぷりがあってこそのストーリー。よほどのイイ男だったということは間違いない。でもダメ男だけど。

最後の段は五台の三味線が盛り上げる、あんまり悲壮感に溢れないラスト。しかも入水前に「石を袂に糸と針」って、縫う暇あるんかい。なんだか余裕かましてるなー、この人たち。残されたお絹が可哀想だわ。お絹は追い出される?それとも儀兵衛からの猛アタック?哀れなお絹。長右衛門おぬしー。と幕が閉じる。なんだか最後までこの二人にイラッとモヤっとするのは私だけ?

頭足りない感を始終放つ長吉が障子の手前で地団太をふんだり、鼻たれ、で笑わせ、さらに儀兵衛が腹抱えて笑ってるのを観て笑う。わりと笑いどころ多々の心中もの。それにしても、帯屋の段の呂勢太夫さん、あたまの血管が切れてしまうんではないかと心配になるほど、命がけ。でも楽しませてもらった。さらに切の咲太夫・燕三さんにしみじみ。充実の帯屋の段であった。

帯屋の段は一時間あるけど、それ以外は短め、かつストーリー単純。文楽になじみのないヒトでも飽きることなく見られそう。

最初の2段は人形遣いがすべて黒衣。その後顔出し。

【チケット代】一等席 6,000円

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