文楽を観に行ってみよう~国立劇場小劇場

文楽=人形浄瑠璃 誰でも楽しめる

文楽(人形浄瑠璃)。言わずと知れた伝統芸能の一つ。

人形だけでなく、義太夫と三味線。迫力満点、作品にぐぐっとのめりこめます。もとは三味線が好きで観始めた文楽。一人で何人もの声色を喜怒哀楽つけて表現する太夫の義太夫節に魅せられて一気にファンになりました。語りの太夫・伴奏の三味線、そしてもちろん人形の繊細かつ大胆な動き・色彩・・舞台からも目が離せません。一度観て、感じてほしい。

歌舞伎と違って世襲でないのも魅力的。スター・看板役者を観に行くというよりも、芸達者の太夫・三味線・人形遣いの三位一体ハーモニーを堪能できるのが文楽の面白さ。

行ったことのない方にとっては敷居が高いかも。でも、普通の観劇と何ら変わらない。ぜひ一度トライしてみてほしいのでご紹介。

本家は大阪の国立文楽劇場。関東では国立劇場小劇場で観られますのでそちらのご紹介。

国立劇場小劇場 アクセス

東京のど真ん中。最寄り駅は地下鉄のみ。JRの駅からは遠いので便利なんだか不便なんだかよくわからない場所にあります。半蔵門線の半蔵門駅から徒歩で5~6分。要所に案内看板があるので迷うこともないでしょう。必要な方は半蔵門駅そばのコンビニで食糧調達も忘れずに。自動販売機は劇場入口そばにもあります。

終演後に東京駅・新宿駅へのバスが運行されている場合があるので、そちらが便利な方は利用してみるといいでしょう。※現在コロナの影響で中止されています

リンク⇒国立劇場HP 所在地・アクセス

チケット

国立劇場小劇場での公演は年に4回。2月、6月、9月、12月。

チケット1等6,000円、2等5,000円、3等1,500円(2019年1月現在、公演によって異なる)→2023年9月時点 1等席8,000円、2等席7,000円。3等席は数席なので、空席にはあまりお目にかかりません。昨今の演劇・ミュージカルは軽く一万円越えなので、比較的お手頃価格かと。

国立劇場のチケットセンターから予約すれば座席選択可。現地で発券(公演当日の発券可)すれば全く手数料もかからないのでおすすめ、さすが国立。ユーザー登録のみで利用できます(無料)。良席や人気公演で必ずチケットを手に入れたい人にはあぜくら会という有料会員制のチケット先行発売枠もあります。

リンク⇒国立劇場チケットセンター

インターネットで予約した券を受け取るのも、直接窓口購入するのもこちらのチケット売り場で。小劇場のお隣にあります。もちろん送料を支払えば配送も可能。

学割もありますので、学生さんお安く観てしまいましょう。

国立劇場チケットセンター

座席からの見え方・おすすめ 見やすい席は?

あまり大きくない会場ですが、人形は小さいのでやはり前方の方がよく見える。ただ、前方すぎると首に負担が…

国立劇場小劇場 座席表

18列(最後列)中央の真後ろからみた小劇場(↓)、立位で撮影。舞台までは結構遠い。右側白い背景のある場所が出語り床:太夫と三味線が客席に向かって斜めに座り、義太夫節を語っていきます。

国立劇場 小劇場

9列-1から(↓)

国立劇場 小劇場

15列-1から(↓)

国立劇場 小劇場

14列-36から(↓)

国立劇場 小劇場

8列-35から(↓) 出語り床を横から見る感じに。太夫のお顔をほとんど拝めません。

国立劇場 小劇場 座席からの見え方

写真や座席表のとおり、互い違いの無い整列型の座席配置、傾斜も強くありません。真ん中のブロックは前席の観客の頭がかぶる恐れあり。特大級が前の座席に座るとアウトなので注意。さらに人形の顔は人間の頭よりも一回り以上も小さい。そういったことを考えると、可能ならば12列あたりまでに座るのをおすすめしたいところです。

でも、最初はあまりこだわらずに予約できる席を確保して、オペラグラスで時々人形をドアップにしてみれば楽しめます。是非、自分のお気に入りの席を見つけてみてください。

ちなみに、おまけ。2020年9月コロナ対策下で公演再開しましたが、前後左右をあけた座席配置になっていました。覆いがしてあるので荷物もおけませんが安心して観劇可。眼前の頭をあまり気にせずに舞台が観られるので特等席が増えたとも言えます。いつまでこの措置が続くのかはわかりませんが。→すでに終わってしまいました。他施設に比べると対策緩めな雰囲気。

国立劇場 小劇場 文楽公演

字幕あり

クラシックなので、言葉がわかりずらい文楽。台詞・ト書きがすべて字幕表示されます。この字幕のおかげで理解しやすい、初心者にはありがたい。字幕は正面舞台の上部または両側に表示されます。

両側に表示される場所は下の写真の通り。縦長のボックス内に縦書き表示。

文楽 字幕表示

この写真でわかるようにあまり前方に座ると字幕が見えない or 見づらいので字幕を見たい方は注意。

イヤホンガイド おすすめ(英語あり)

やはり古典なので、最初は解説があったほうがわかりやすい。有料のイヤホンガイドあり(英語バージョンも)。初めて行くときは借りる検討を。見所やセリフ、当時の文化などを解説してくれるので、「なんじゃこりゃ」状態にならずにすみます。

パンフレット

詳しい解説、床本集(台詞・ト書き)が含まれています。国立なだけあって今どき良心的なお値段、600円(2018年)→2022年 700円→2023年9月 800円!!。ある程度ストーリーをあたまに入れてから観劇するとより一層観劇が充実した時間に。

そもそも演目によっては長いストーリーの一部を取り上げて上演していることも多い。そこまでのストーリーがわかっているものとして話がすすんでいくので、事前のあらすじ把握は必須。

2018年12月公演のパンフレット 顔に入れ墨の入った佐々木高綱文楽パンフレット

休憩時間 小腹を満たすチャンス

2018年12月公演の場合、休憩をはさんで3時間40分。演目・時間帯にもよるけれど20~30分程度の休憩時間=お弁当・おやつタイム。エネルギー補給をしましょう。

当日劇場で注文できるお弁当や食堂、売店もあるけれど、もちろん持ち込みも可。休憩中は座席での飲食も可ですが、気分転換に座席以外の場所で頂きたい。ロビー以外にも二階に無料休憩席あり※コロナの影響で飲食禁止場所があるので注意、現在座席や一階ロビーでは飲食できません。 2023年時点 座席での飲食は不可ですが、ロビーでの飲食は可に。

ということで休憩用に何か用意しておくことをおすすめします。休憩時間は短く慌ただしいので小腹を満たせば十分、と個人的には思っている。満腹になると眠気に襲われてしまいそうなので。

退屈?寝てしまいそうで心配な方へ

正直に言います。寝ているヒト、結構います。年齢層が高めのためか、はたまた義太夫節が心地よく眠りを誘うのか、しずーかに寝ている・コックリしているヒトをよくみかけます。仕方ない。いびきをかいたり大きく船をこいで迷惑をかけないように注意。ただ、観劇は疲れやすいので、できるだけ体調よく観られる日のチケットを取りましょう。

演目

時代物・世話物と大きく二分されます。長年愛されていることもあって、涙を誘うストーリー、笑えるシーン、取っ組み合ったりと多彩で楽しめます。

おすすめは世話物。代表的なものだと近松門左衛門の「曽根崎心中」のような町中の下世話な話を脚色したようなものです。「江戸のメロドロマ」と勝手に呼んでおります。現代でいうところのワイドショー・週刊誌ネタなので、わかりやすいことこの上ない。そのメロドラマの中でも、せつない若い娘の嗚咽をおじさん(失礼!)の太夫がやるのです。男性なのに没入できる、心に響くのですよ、これが。ぜひぜひナマで体感してください。

まずはチケットを手に入れて行ってみよう

『古典芸能は素人には難しいのでは?』とか『初めて見る人にはハードル高いのでは?』『着物を着ていく必要あり?』なんて構えてしまうかと思います。でも、楽しみ方は人それぞれ。観ている最中は一人で舞台を観ているのですから、おひとり様で行ってもなんら問題なし。着物を着て行かなくても大丈夫です(歌舞伎よりも着物率低し)。確かに年配の方の方が多いけど、若い人も外人もいる会場。だいじょうぶ、誰もあなたのことは気にしてません。

太夫・三味線に耳を傾け、精巧な動きを見せる人形を観る。一度会場で鑑賞してみてください。個人的には歌舞伎も文楽も映像で見ると正直言ってつまらない。でも、劇場でナマで味わうと、ピリッとした緊張感の中で全く違う感動を体験できると思います。

文楽鑑賞教室という、文楽の魅力を解説してくれる公演枠も12月にあります。でも、それを待っていてもなかなか都合が合わない可能性もあるので、行かれる日が吉日、ということでまずはチケットを手に入れて、どんなものか覗いてみませんか?

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