日本振袖始-八岐大蛇と素戔嗚尊-観劇・感想 12月歌舞伎 at 歌舞伎座

日本振袖始 2020年12月歌舞伎 第四部

新しくなって一度も足を運んだことのなかった歌舞伎座、なんせ普段が高すぎです。1等18,000円以上なんて庶民にはよくわからない価格です。もちろん3等などの安いチケットもあるけど人気の演目ほど争奪戦ですし。

再開後は一部=一幕の細切れ作戦。12月も計四部、席は前後左右空けた方式なのに躊躇する客多数なのか発売開始から数日たっても空席が余裕で残っている!これはチャーンス、普段よりもチケット代もうーんとお安くなってるので行ってみることに。きっと何かのご褒美です、ウン。

歌舞伎座 日本振袖始

座席からの見え方 二階桟敷席

コロナの影響で前後左右をあけた配置、座れない席はヒモでブロックしてあります。

古い歌舞伎座の記憶では一階座席に傾斜がなくて、変なところに柱があって…というマイナスイメージだけ。新歌舞伎座の写真をいろいろとみてみてもやはり傾斜が乏しく一階は観ずらそう。というわけで直感的に二階を選択、その中でも珍しく空いている東(上手)桟敷席にします。二等の桟敷席なので二列目にはなりますが、たぶん大丈夫なはず、という野生の感で。

結果として花道は真正面、ほぼ全体が見渡せました。舞台は上手一部が見切れるけれど役者はほぼ見切れません。全体を見渡すには十分。常盤津の面々も舞台正面中央のやや下手より奥に座っていたのでちゃんと視界にはいります。

東12-2から舞台を眺める歌舞伎座 二階桟敷席

もちろん桟敷席としては最後列なので、多少前のめりで舞台をのぞいても誰にも迷惑をかけません、これはうれしい。しかーも、コロナ特別対策で横があいている=二人分の空間を一人占め、なので快適そのものです、わーい王様気分。ただし、オペラグラスは必須、コロナ対策で貸し出しもありませんので持参しましょう。

普段だったらお弁当を広げられる机にこんな注意書きも。コロナであちこちアラートばかりです。

2020年12月歌舞伎

あらすじ 日本振袖始 にほんふりそではじめ

日本神話 スサノオノミコトとヤマタノオロチ(八岐大蛇)のお話し。八岐大蛇(玉三郎)の祟りを恐れて村人が稲田姫(梅枝)を生贄として捧げに来る。岩長姫の姿に変えた八岐大蛇(玉三郎)は甕に入った酒をぐびぐびと飲み、稲田姫をも飲み込んでしまう。素戔嗚尊(菊之助)がやってきて八岐大蛇と戦い…

上演時間

19:15-20:08 休憩なしの53分

感想 美しいだけではない怪しい玉三郎

ウン十年前、10代で初めて観た歌舞伎公演の一つが玉三郎さんの鷺娘、あのしなやかさに魅了され強烈な印象を残したのは間違いありません。

新しい歌舞伎座になってからは、とにかく一等席が高く(なんどもしつこいが)、かつお安い席はなかなか空いておらず足が遠のいていました。一幕見席も外人客も多くすんごい並ぶと聞いてすっかり縁遠く…。期せずしてリーズナブルに観やすいチケットをゲットできたのは皮肉にもコロナのおかげともいうべきかもしれません。

コロナ対策は収容客減らす以外にもあちこちに。チケット確認、もぎりや消毒、公演中も桟敷席裏のカーテンはあけられたまま、1階、2階桟敷席の後方も空いてましたね。ただ客席後方の扉がどのようにしてあったのかはよく見えませんでした。公演後の退場ももちろん係員誘導で蜜回避、自席から見える範囲では7~8割くらいは席が埋まっているようでしたが、第四部で夜遅いということもあり超高齢の方はほとんどいなかったかな、さすがに。大向こうもなしでちょっと寂しい気もするけどその分は拍手で気持ち一杯応えることにしましょうか。

当初、コロナ濃厚接触者で玉さまお休み、菊之助さんが代役を務めていたこの第四部、鑑賞時には当初のコンビネーションに戻っておりました。今回の玉さまは怪しげな女で登場、酒をなめ、喰らい、怪しい雰囲気を醸し出しながらも美しさも忘れず酔った様子を見せ、その後稲田姫を捕らえて奈落へ降りていきます。素戔嗚が登場した後に登場する玉さまはすでにすっかり大蛇と化し、8頭の一つになっていますので美しいお顔も拝めませんが40分くらいほぼ舞台上でしょうか。

幸せなことに舞台と大河ドラマ正親町天皇の両方の玉三郎さんを鑑賞できた12月ですが、キリリと人形のように美しい菊之助さんも印象的。1月以降は50%以上に販売座席数も増やし、演目構成も変えてチケット代がお高くなるようす。なかなか機会がないけどまた縁があれば、という感じであとにしました。久々に鷺娘観たいなあと思いながら…

【チケット代】二等 5,000円(ちなみに一等席も一階桟敷も10,000円!)
【パンフレット】1,300円 迷って迷って購入せず

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