ぬる湯の長居できる温泉へ
宿泊記の続きです。前回まで。
川古温泉浜屋旅館 宿泊記①イワナ大活躍 お食事と客室編【群馬】地下一階にある温泉の配置図はこちら。この図にはありませんが、女湯にも小さい露天風呂がついています。エレベーター降りてから階段もなく平行移動でたどりつけるのがうれしい。
・内風呂は男湯・女湯・混浴の三カ所
・露天風呂は混浴・女湯の二か所
男女の入れ替えはなく、24時間いつでも入れます。
女湯 内湯+露天風呂
脱衣所はスリッパをはく場所と裸足の部分が混在していて、どこがスリッパエリアなのかわかりません。小奇麗とはいいがたい空間、壁はどうでもいいけど足元がね。お湯がいいのにもったいない。もう少しどうにか……たのむ。
一面がガラス張りの内湯、日中は明るい。ガラスの向こうはすぐに露天風呂。
内湯
奥の湯口からは投入ゼロなのに、飴色の木枠を超えたお湯は手前の排水口からゴーゴーといい音たてて掛け捨て、というか湧き捨てされていく。無色透明だけどほんのり硫黄臭。加水・加温・消毒なしのうれしいお湯。
段差部分の脇の配管から時折ぽこっと。石敷きの底面の管からも注がれています。
洗い場は二か所。間にあるボウルの上には『かけ湯・上がり湯にお使いください』の案内。新鮮な温泉が下から供給、やったー。
露天風呂
石造りの露天風呂、奥の湯口からはちょろっとしか流れてない。湯船手前の管からぷくぷくと泡が湧いてくる。シャッターチャンスを狙う必要もないくらいで。結構な量が左奥の角からザバザバと流れ出ていきこちらも湧き捨て状態。ぷくぷく、ぽこぽこ……
混浴 内湯+露天風呂
混浴用の脱衣所あり。洗濯機があります。湯浴み着脱水するのに大活躍、助かりました。
内湯
この小ぶりなタイプの混浴内湯はある意味めずらしい気がします。洗い場一つだけ。全く知らない異性と混浴するような湯船ではありませんが貸切にできるわけでもなく、先客いたら空気読めよっということかと。こちらの内湯も一面はすりガラスになっていて採光、明るい。湯底には大小の石が敷かれている。
混浴露天 湯浴み着でゆっくりつかりたい
すぐ左側に渓流が流れる大岩で囲まれていた混浴露天風呂、手前の高い位置の湯口からは打たせ湯のようにドボドボと注がれる。川の音が完全にかき消されてしまうほど。
露天風呂の真ん中の岩壁の裏にはもう一つの湯口。こちらからは滑り台を流れてきたお湯が静かに注がれていく。
湯口に析出物ゴリッと。
入り口付近のそこからも温泉投入、ポコポコ。
露天風呂の入り口部分、面積にして1/3程だけ屋根付き。女湯・男湯・混浴の脱衣所から歩いてくる場所(写真中央)には屋根付き、だけど丸見え。バスタオルを巻いてくることは可能だけど入る場所は死角になっておらずオープンそのもの。
ぬる湯の露天は気持ちよく、時間の経つのを忘れるほど。というわけで目につきやすい場所にある時計を時々横目でみながら入浴。当日は外気温が日中10℃台でちょうどよかった気がします。真冬は河原だけに寒そう・真夏は目を閉じていたらアブやブヨに襲われそう、でベストな時期に訪れた気が勝手にしていますがどうでしょうか。暑い時期に行く勇気、ないなあ。
混浴露天風呂の入り口付近には給水所。左が川古の湧水で冷たく、右は川古の源泉であたたか。飲水許可もとれている温泉。ゴリゴリ析出で羊スタイルに🐑。
複数回、長時間混浴露天風呂につかっていたけど、遭遇するヒトはだいたい同じ、カップル。でも女湯に戻ると露天・内湯に数名いることもあったので混浴露天に全く入らない女性もいたみたい。
湯浴み着・湯着の着用可といううれしい混浴露天。持参の湯浴み着の着用OK。宿でのレンタルも300円で可だけど借りていないし、それらしいものを利用しているひともいなかったのでどんなタイプのものかは不詳。当日の宿泊時間帯は全く混雑することもなかったのでまあ、そこまでハードルの高い混浴露天ではないけれど、上記記載したように湯につかる・上がる場所はオープンなので湯浴み着利用したほうが気楽なはず。湯浴み着着用・宿泊者の時間帯なら女性一人でも混浴露天楽しめそうな雰囲気でした。
湯あみ着の案内の横に、飲酒・飲食禁止のお知らせも。
飲酒したくなるくらいの気持ちよいぬる湯だけど、過去に宴会されたり雰囲気悪くされたりといったことがあったんでしょうか。瓶を割られたりしたら最悪だしね。
男湯 内湯のみ
男湯は内湯のみ。外からの採光もあって明るい湯屋になっている。ツレに写真をとってもらったけど温泉愛が感じられない一枚。湯底がまったくわからないではないか。
温泉分析表(平成27年8月から)
源泉は一か所。全て同じお湯だけどいろんな雰囲気で楽しめる。
源泉名 浜屋の湯
泉質 カルシウム-ナトリウム-硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性温泉)
泉温 39.8℃
湧出量 測定せず(掘削自噴)
pH 8.0
溶存物質 1.33g/kg 成分総計 1.33g/kg
感想 ぬる湯にのんびりできるお宿
ぬる湯を求めて足を運んだ温泉、期待通りのぬる湯三昧ができました。当日は週末ということもあり混雑回避で日帰り入浴は中止、食事処のテーブル数を見ても7~8組ほどしか宿泊していなかったので湯船も混雑することなく静かな湯あみを堪能できました。湯治がベースの温泉宿、キャッハーするようなヒトもおらず静かで落ち着きます。日帰り営業中の様子はわかりませんが、ワニなんかが心配だったら宿泊して湯浴み着がベターかと。
3階建ての館内にはエレベーターもあり、階段昇降せずに移動が可能。秘湯・鄙びた宿にありがちな”延々と階段を歩く”といった必要もないので安心して湯治できるのもうれしいところです。
温泉猫、夜だけお会いしました。高さがちょうどよいのか頭をすりすり。すぐにどこかへ行ってしまいました。
帰りは口数の少ない、でも愛想が悪いわけでもないご主人に猿ヶ京のバス停まで送ってもらいました。驚愕の丹前(半纏?)事件に閉口したものの、お湯がよかったのでまあいいか、という気になってしまう(よくないけど)、そんな温泉宿でした。〈宿泊2021年3月〉