鷲倉温泉 高原旅館 宿泊記②源泉二種・家族風呂がおすすめの温泉編【福島】

源泉二つの温泉

前回、お食事、客室まで

鷲倉温泉 高原旅館鷲倉温泉 高原旅館 宿泊記①食べきれないほどのお食事・客室編【福島】

鷲倉温泉には源泉が二つ、弱硫黄泉と鉄鉱泉の二種類が自然湧出しています。湯小屋自体は男女別の大浴場+露天、それとは別に男女別の露天、さらに家族露天風呂の計5カ所。男女入れ替えはありませんので、利用できる湯小屋は3か所となります。

①本館にある大浴場+露天風呂(男・女)ー単純硫黄温泉
②本館 家族露天風呂 -単純硫黄温泉
③離れ 岩根の湯の露天風呂(男・女)ー酸性・含鉄-アルミニウム-硫酸塩泉

基本源泉かけ流し、消毒・加温なし、加水有とのこと。

①大浴場 女湯

脱衣所はそれほど大きくもなく、洗面も3か所。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

内湯

ガラス戸開くと内湯。ガラスに面した明るい横長の湯小屋・湯船。湯船は独立だけど天井で男湯と通じている大きい湯小屋。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

壁の湯口からは結構な勢いで流入、かけ流し。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

反対側の湯枠を超えてオーバーフロー、かけ捨てられてゆきます。床石が濡れているだけでなく赤褐色にすっかり変色していますが析出物ごりごりという感じではありません。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

無色透明ですがうっすら貝汁のような濁りはあります。糸状の小さい湯の花がふらふら。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

浴槽内は結構熱く42~43℃といったところ。長湯できるかんじではないので露天へgo。

露天

内湯の扉をあけると、すぐに覆いのない岩露天。かなりゆったりした大きさ。湯船はうっすら青灰色で湯底が見える程度の濁り具合。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

少しだけ塀で囲われているものの、緑に囲まれて開放的。裏山と畑?

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

湯口廻りはやはり赤褐色に変化。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

湯底には青灰色の粘土のような析出物がたまっている。触れるとけむりのようにぷあっと立ち濁る。

内湯と同じお湯だけど、こちらの方が湯温もさがり入りやすい。それでも40℃は下らない感じ。HPで見ると真っ白に濁った写真があるのは??、だいぶ泉質が変わってしまったのでしょうね。

②家族露天風呂

宿泊者専用の家族露天風呂、大浴場の横に入口。予約必要なく空いていれば札をひっくり返して鍵をかけて利用できます。

鷲倉温泉 高原旅館 露天風呂

檜づくりの露天風呂、お湯は透明だけどどことなく青っぽくうつる。露天風呂なのにシャワーあり、めずらしくシャンプー類も置いてあるタイプ。家族風呂とは思えないくらい大きい湯船。泳げませんよ。

鷲倉温泉 高原旅館 家族露天風呂

檜の湯底には灰緑色の沈殿物、泥のようでもあり灰のようでもあり。触れるとささっと舞う。

鷲倉温泉 高原旅館 露天風呂

建物と反対側は緑、緑。湯船も大きいし湯加減も丁度よいので最も快適な湯船でした。というわけで、混雑時にこの貸切風呂がどの程度利用できるのかがこの旅館の満足度を分ける胆かもしれません。

鷲倉温泉 高原旅館 家族露天風呂

③岩根の湯

宿泊棟から少し離れてもう一つの源泉露天風呂、岩根の湯、履物を履き替えてむかいます。明るい時間はいいけど暗い時間はちっとコワい。「ホーッ、ホーッ」というミミズクかフクロウの声をどこかのおじさんの声だと思ってビクビクしてしまったのはここだけの秘密。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

飲泉許可を受けている温泉、飲泉所があるもののコロナ禍にて休止中。あら、残念。

鷲倉温泉 高原旅館 飲泉所

女湯

全体に屋根囲いのある露天風呂、庭園のような雰囲気のよい空間。湯口からはドボドボ。洗い場はありません。

鷲倉温泉 高原旅館 露天風呂

注がれた温泉は湯枠を超えて掛捨て。浴槽の縁も周囲の石も赤く光って鉄分多そうです。

鷲倉温泉 高原旅館 露天風呂

雰囲気のよい露天風呂だけどとにかく熱い。宿のHPにも”加水あり”の表示だったのでもう少し適温かと思っていたのだが、いやいや手強い。湯もみするような湯かき棒も見当たらない。上の写真で写っている緑のホースからは少量水がでているものの、太刀打ちできないくらいに熱いうえに酸性でピリつくので一度ギブアップ。お宿の方に伺うと「ホースで水調整して薄めてイイですよ」とのことで、ホースの水をジャンジャン増量してやっと入れる。あまり薄めてしまうともったいない気もするけど仕方がない。

せっかくなら温泉の味見したいのだけどそういったわけで湯口の熱いこと、火傷しそうなくらい。でも頑張って含んだ味はやはり酸っぱく鉄のにおい。

もうちょっと、もうちょっと湯口までの段階で湯温調整してほしいけど難しいのかな。せっかくのいい露天風呂なのに自分の中で不完全燃焼感が、ちょっとね。

男湯シリーズ

露天風呂の眺めいいよね~、男湯はもっと開放的?なんて会話をツレとするもあまりかみ合わず。というわけで比較のために撮ってくれた写真を以下に。

露天風呂ー硫黄泉(大浴場の方)

男湯だけに、なにも囲いがないくらいの露天風呂かと思いきや予想外の閉鎖空間、女風呂の方が遠くまで見渡せて気持ちがいい。こちらが道路側なのでどうしてもこういった囲いになってしまうのでしょう。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉 露天風呂

岩根の湯 露天風呂

離れの露天雰囲気いいよね、という点も一致せず。こちらは岩風呂、眺め・雰囲気は女湯に劣る気が…。なんだろう、開放感にかけるのかしら。

鷲倉温泉 高原旅館 温泉

温泉にしてはめずらしく女性優位の湯船・湯小屋。ほんとうに稀有なケース。でもお湯には差はありませんので心配ご無用です。

温泉分析表から

温泉分析表 平成27年7月 (本館硫黄泉)

源泉名:鷲倉温泉(イ)
泉質:単純硫黄温泉[硫化水素型](低張性弱酸性高温泉)
源泉:69.0℃
pH:5.8
湧出量:100L/min 自然湧出
溶存物質109mg/kg、成分総計195.1mg/kg

温泉分析表 平成21年8月 (別館 岩根の湯)

源泉名:鷲倉温泉 露天風呂
泉質:酸性・含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉(低張性酸性高温泉)
源泉:60.2℃
pH:2.7
湧出量:65L/min 自然湧出
溶存物質1262mg/kg、成分総計1262mg/kg
Al+++ 52.5mg/kg,  Fe++ 20.0㎎/kg, Fe+++ 6.5㎎/kg

感想

二種の源泉が楽しめる秘湯を守る会の会員宿。絨毯を張った鉄筋の館内には秘湯・秘境感はありませんので、隙間風のない快適ステイをしたい人にはうってつけでしょう。ただ、温泉天国・福島にしては特徴とパンチが欠けるのは否めない感じです。特に岩根の湯の方は自分で加水しまくってしまい、泉質よくわからず終わってしまったのが心残りかな。全般的にあつ湯好きさんにはおススメの温泉もしれません。にこやか女将さん曰く高湯温泉吾妻屋さんはご親戚なんだとか。温泉ファミリーすごいなあ。〈宿泊2021年6月〉

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