人形浄瑠璃文楽公演 5月第一部 いもせやまおんなていきん
今月は通し一部・二部の公演。二部制の公演自体が実は苦手。なぜって上演時間が長くてつらいから。体力的にも集中力の面でもムリ―、どこかで睡魔がやってくる。
でも、「国立文楽劇場35周年&令和おめでとう」の王代物スペシャル演目らしいので、毛嫌いせずに観にいってみましょう。通しでかかることもこの先いつになるのかわからないことだし。一日がかりで一部・二部とご覧になる方もいるようですが、無理せずに別日で観劇に行くことに。だって、一部だけでも休憩入れて4時間半ですよ、奥さん!一日通しだと、10時半から21時まで劇場にいなくてはならないことに。
演目の佳境、妹山背山の段のみを見る方もいるようだけど、初めての演目なのでこの第一部からスタートして内容をおっていきますか。
上演時間
大内の段/小松原の段/蝦夷子館の段/猿沢池の段 10:30~12:23
休憩25分
鹿殺しの段/掛乞の段/万歳の段/芝六忠義の段 12:48~14:20
休憩10分
太宰館の段 14:30-15:02
座席 見え方
10列目 下手ブロック左はじの方。5月公演は席選択の余地がほんとになかった。チケットとりづらし。しかし見え方問題なし。
出語り床が上手・下手の両方に作られているけれど、第一部では下手仮床は使われることはなく、従来の上手の床だけ。でも座席からは下手仮床が邪魔になることなし。見えずらい席はそもそも販売から外してある(席番隠してあり空席)。
演目 通し狂言 妹背山婦女庭訓 演者
作者 近松半二ら
中大兄皇子と中臣鎌足が大豪族蘇我入鹿を武力によって排除し、天皇中心の新政を行った事績、大和地方に点在する名所旧跡や伝説を題材とし、複雑な伏線と鮮やかな謎解きが、洗練された義太夫の演奏により進行し、舞台一面に日本の美しい四季が展開するという豪華な大作 ~チラシ解説より~
感想 第二部へつづく・・えーっここで?
鹿も馬も出てくる第一部。蘇我蝦夷子と入鹿と中臣鎌足と。むしごはんでおなじみの大化の改新ではありませんか。久々にこの辺の名前に触れて懐かしい気分に。といってもあまり覚えてないことにいささかショックです。まあ、それにしても蝦夷・入鹿の風貌が悪そうなこと。嫌なやつ感満点、わかりやすい。
芝六忠義の段、子殺しあり。いとも簡単に(簡単ではないんだろうけど)芝六が実子・杉松を殺める。えーっ、ほんとに息子殺さないといけない?その場面。武士としての復権のための忠義の証としての子殺し。きっと理解できなくていい(と思っている)芝六の行動。少なくとも、その他生き物と違って人間は遺伝子の乗り物ではないということですかしら。子供は道具、手段、自分のもの。継子の三作が助かり、帝も目が見えるようになりなんだか難題が片付いた事になっているけど、やはり変でしょ。
さいご、大宰館の段では入鹿の威勢のいい高笑い、ああ靖太夫さんの血管がぷちぷちときれてしまいそう。桂川連理柵の呂勢太夫さんに引き続き心配になる。
さー、次回へ続く・・・で第一部の幕が下りる。一番盛り上がる手前で終わってしまう。忠臣蔵で討ち入りする直前、もしくは火曜サスペンスで犯人はあなただ、と指さそうとしたところで終わってしまうような。妹山背山の段からの第二部がこの後待っていると思っても、この一部と二部の分断はいかに。通し狂言なので『通しでご覧ください。30分後にはご覧になれます。』ということで、一日通しでの観覧がきっとデフォルトなんでしょう。この一部だけなら初めての文楽にはおすすめしないな。人間関係理解しながら観るのがめんどくさい上に、盛り上がりにかけるもの。
ああ、やっぱり長くて限界。通しで観る方、心底尊敬する。それはそうと、山の段が楽しみだなあ。
【チケット代】一等7,300円
【パンフレット】700円