心中天網島 観劇・感想9月文楽公演 at 国立劇場小劇場

人形浄瑠璃文楽公演 9月第一部 しんじゅうてんのあみじま

頻回に演ってる気がする心中天網島。どうしようかなあ、と思ったけど時間がマッチしたのでチケットとることに。ほぼ満席、やはり人気演目らしい。

心中天網島

上演時間

北新地河庄の段11:00-12:30
〈休憩 30分〉
天満紙屋内の段13:00-14:00/大和屋の段14:00-14:25/道行名残の橋づくし14:29-14:47

座席 見え方

10列目下手はじの方、特に問題なし。

演目・演者・あらすじ

9月文楽 心中天網島

心中天網島 あらすじ

咲大夫さん、人間国宝に認定されたそうで、おめでとうございます。

感想・おぼえがき

妻おさんに愛され、兄孫右衛門にも愛される治兵衛。まあ、毎度おなじみのダメんず治兵衛(ダメ男度は心中ものの中でもそれほど高くない)に関わる、おさんと小春の思惑・義理をもとに話はすすむ。最終的におさんは離縁状を書かされて実家へ連れ戻されるが、そのおさんの願いを叶えることなく小春は治兵衛と心中へ。道行最後で「…小春と紙屋治兵衛と心中沙汰とあらば、おさん様より頼みにて殺してくれるな殺すまい…その文を反古にし、大事の男を唆しての心中は…おさん様一人の蔑み恨み妬みもさぞと思ひやり、未来の迷ひはこれ一つ」と語る小春、冷静にわかってるのに心中! 小春を小刀でさし、治兵衛自身は小春の腰ひもで首をくくって死ぬ。そばで死んだらおさんに申し訳たたない?だとしたら、なぜ自分の帯で首をつらないのか、この男は。

夫にまともに相手にされず、それでも小春に義理を果たそう、夫の顔を立てようと身請け覚悟までしたおさんが哀れで。このストーリーの悲劇のヒロインはおさんに確定。

というわけで悲恋物でもなく、残された妻や子のことを考えてしまい、いらっとすること間違いない。女子が健気で一図で、都合のよいほどであるけど、男性が書いた男性の喜ぶストーリーだとしたら合点もゆく。007のボンドガールの都合のよさと同様で。

昼間から寝ている治兵衛が姑訪問の際に慌てて仕事をする振りをして笑いを誘う、いつの時代も同じなのだなあ。夜でもないのに布団に入っているのを文楽で見かけるけれど、現代でいうところのテレビを見ながらゴロゴロしている、という感覚に近いのかな。

暑い日が続き皆疲れているせいか、一幕目からゆらゆらしている方多し。床からの響きが心地いいものねえ。なんと開演前に缶ビールをあおっている猛者がおり、心してゆらぎに来たのだなあ、と二度見してしまった。そこまでの勇気はないなあ、やっぱりもったいないなあ。

【チケット代】一等席 7,300円
【9月パンフレット】700円

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です