二人禿・芦屋道満大内鑑 文楽鑑賞教室令和二年12月 観劇・感想at国立劇場小劇場

文楽鑑賞教室 2020年12月

あぜくら会のチケット発売開始日を失念、一般発売日の発売時間にもPC前に着座できず。ログインした時には完売の状態で敗北したことを知りましたが、その後戻りチケットが結構ありチケットゲットに至りました。この戻りチケットやらもどうにかなりませんか、一般発売日までにちゃんと決着つけておいて発売日に勝負させてほしいものです。

チラシを飾った白狐の葛の葉ちゃん、瞼を閉じた文楽人形は毎度白目をむいた物の怪にしか見えません。ごめんなさい。

文楽鑑賞教室2020年12月 芦屋道満大内鑑 

上演時間

二人禿 11分
解説 文楽の魅力 20分
芦屋道満大内鑑 葛の葉子別れの段 1時間4分

演目・演者・あらすじ Aプロ

コロナ感染のため演者変更あり。このご時世しょうがない。よく大勢の感染者・濃厚接触者を出さずに済んだものです。

二人禿 竹本小住太夫→豊竹亘太夫
芦屋道満大内鑑 中 豊竹咲寿太夫→竹本小住太夫

文楽鑑賞教室2020年12月 演者

二人禿 ににんかむろ

遊郭で遊女に仕えている禿(かむろ)が愚痴を言ったり羽根突きをしたり毬をついたり、の舞踊劇。

芦屋道満大内鑑 葛の葉子別れの段 あしやどうまんおおうちかかがみ

(これまで)安部保名は恋人・榊の前を失うが、榊の前の妹の葛の葉姫に出会い正気に戻る。葛の葉姫に横恋慕している、石川悪右衛門が白狐を追って現れ、葛の葉を逃がした保名は白狐を救ってやるも、逆に悪右衛門にうちのめされてしまう。死のうとした保名の前に再び葛の葉姫(狐)が現れて介抱、夫婦となった二人は阿倍野へ住み、阿部童子が生まれる。

(この段)阿倍野の家を訪ねてきた葛の葉(本物)は自分と瓜二つの女(妻・狐)が機織りをしているのを発見、そこへ保名が戻ってきてあれあれなぜ葛の葉が二人も?となる。女(妻・狐)は実は自分は助けてもらった白狐だったことを告白、別れを告げて白狐の姿に戻り書置きを残し信田の森へと去ってゆく。

感想 どんな集団と鑑賞教室に臨むかが重要

9月と同様コロナ対策で前後左右ががあいた千鳥格子状の座席配置にて鑑賞。となりのおっさんからのひじ掛け侵入を食らうこともなくああ快適♡、どっぷり贅沢なカラダになってしまいます。9月と異なり覆いでブロックされていなかったので荷物を置くことができたのもありがたい。

二人禿
ににんはげ?ふたりはげ?と思っていたら『かむろ』だそうで。あれ?鳥と烏のように、はげとは微妙に漢字が違うのだろうかと穴が開くほど眺めますが違いが見つけられませんでした。どうやら同じ漢字のようです。ああ漢字って難しい。

という教養のなさは置いておいて、二人の禿が羽子板をついたり毬を使ったりとはねて遊びます。歌舞伎もそうだけど舞踊物は楽しい、11分と短いのもありますが躍動感がみなぎり三味線も華やかで眠くなることなく夢中になれます。解説本にも記載があったように、女性の人形ですが足があるのも新鮮でした。

芦屋道満大内鑑 葛の葉子別れの段
子別れに動揺する葛の葉がきつねに早変わりして駆け抜けていく、ドラマティックな変化を楽しめる作品。やはり見どころは切ない子別れそのもの。小住太夫さんと呂勢太夫さんの語りと勘十郎さんの情感あふれる葛の葉にぐいぐいと引き込まれます。指先もぐいんと折り曲げて衣装だけでなくすっかり狐そのものです。

障子の書置きが一つ裏向きに書いてあるのは狐だからなのでしょうか。その辺は原作読むか解説聴くかしないとわかりませんがきっと意味がありそうなことは感じます。そして覚書きとしては、タイトルの芦屋道満そのものはこの葛の葉には一切でてきません(たぶん)。

一年前令和元年12月の文楽鑑賞教室、それはそれは寒い集団で雰囲気サイテー、自分で演じているわけでもないのに哀しい気分で劇場をあとにしましたが、今回の鑑賞教室はそんなこともなく、若い18歳前後の集団もいましたがみな集中して鑑賞、拍手・反応もよくて心穏やかに鑑賞できたのがなによりでした。前回がたまたまハズレだったということにしておきましょうか。若いヒトが熱心に観ていると「おもしろいでしょ?面白いよね」なんて嬉しく思ってしまいます。演者でもなんでもないのですが。Aプロのお二方 豊竹亘太夫、鶴澤寛太郎の文楽の魅力解説はいたって正統派、ある意味ふつうでした。

【チケット代】薄い解説パンフレット付き 4,100円

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