イントゥ・ザ・ウッズ at 日生劇場 観劇・感想

ミュージカル Into The Woods 2022年1月

スティーヴン・ソンドハイム作のトニー賞もとったブロードウェイミュージカル、完成されつくした作品だろうし、満足しないはずがない…と思っていったのですが。一度は観てみたかったので日生劇場へ。

チケット購入後にソンドハイム死去のニュースが流れました。偉大でしたね。

イン・トゥ・ザ・ウッズ 日生劇場

日生劇場 2階座席からの見え方

何度来ても色合いと曲線の美しい劇場です。今回の座席は2階下手の3列目座席。ところどころ空席ありました。

傾斜もしっかりめ、前の座席のヒトが前のめりになることもなかったので舞台全体はとても見やすかった、死角なし。ただ、演者の表情はほぼ見えないのでオペラグラス必須です。

会場内、ロビーもマスク徹底は当たり前の中、『ツレと会話控えよ』の徹底ぶりがすばらしい。トイレの行列に向かってもアナウンスしてまわります。女性がほぼ9割の客席、ひとたびしゃべりだすと、とまらないしねえ。国立劇場もぜひ見習ってほしいと思います。

イン・トゥ・ザ・ウッズ 日生劇場

上演時間

1幕 1時間半 / 休憩 20分 / 2幕 1時間20分

イン・トゥ・ザ・ウッズ 上演時間

感想 ソンドハイムがバラッバラ なぜにこの演出

ブロードウェイ版も映画もなにも見たことがない、代表的な曲は音源で耳にしたことはある、という程度で向かった本作。

開演してあれっ、この作品はミュージカルだったはずだけど、もしかして音楽劇かなにか?と戸惑ってしまうほどの歌の完成度。ソンドハイムの複雑な楽曲をあまり上手ではない人が歌うと、あらら?、音楽でも曲でもなくて音になってしまう。音符が五線譜からバラッバラに飛び散ってしまったような。リズムと日本語・訳の不適合さ、限界もあるのかもしれませんが、かなり厳しい感じが漂います。せっかくの素晴らしい生オケもむなしく…

オリジナル版の演出ではないというのを幕間に初めて知るという(遅い!)、なかなかのショックでした。演者の歌唱力や声量が突然に飛躍するわけでもなく公開処〇かと思うほどでつらくなる。このキャスティングでこの演出でやろうと思ったのだなあ (-_-;)。

それでも望海風斗演じる魔女が出てくるとなんとか別次元の実力でガシッと会場をつかんではくれます。王子二人(廣瀬友祐・渡辺大輔)も安定、熱唱 Agonyのシンプルで心地よい音調を聞くとほっとするのはワタクシがド素人だからでしょう。他に、毬谷友子・湖月わたる・朝海ひかるの元ヅカも継母・継姉役で登場しますが、あまり見せ場がない感じでもったいない使われ方。

宝塚の元トップにすべて依存。望海風斗さんの実力もさることながら他演者との比較でスター性が際立つ舞台。にしても…ですが。観客も9割以上女性、望海さんに対するリアクション、追視具合から見ても、ほぼヅカファンなんではないかと思われる客層でしたが、それでも望海さん出しておけばいいというわけでもないし…。

そもそもストーリーも楽曲も万民受けするようなものでもないので自分にフィットしなっただけかも、と思いながら、帰宅後に動画サイトで1989年のオリジナルキャスト版(Bernadette Petersが魔女)を鑑賞。えっ、歌もいいし面白い!後半も結構笑いどころあるし。ストーリーの問題ではありませんでした。

【作詞・作曲】スティーヴン・ソンドハイム
【脚本】ジェームズ・ラパイン
【演出】熊林弘高
【チケット】S席 13,500円

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