人形浄瑠璃文楽公演 12月国立劇場小劇場
12月公演観覧。ほぼ満席の客入り。
うんちくは語れません。でも文楽好きなんですよ。人形は言うまでもなく、なによりも義太夫と三味線。迫力満点、作品にぐぐっとのめりこめます。10代~20代はよく歌舞伎にも連れてってもらいまいした。歌舞伎もおもしろいけど、役者が前面に出てこない文楽の方が好み。ストーリー語りの義太夫節に聞きほれてしまいます。
12月は文楽鑑賞教室が行われていたので、本公演はこの組み合わせのみ。
上演時間
鎌倉三代記 2時間8分
休憩 30分
伊達娘恋緋鹿子 58分
17時開演 20時36分終演
座席 見え方
10列目の左はじ(下手)の方。人形は小さめですが斜に全体を見るには悪くない、かも。出語り席から遠いのはどうかな?と思ったけどそちらもうまく見渡せて問題なし。時々オペラグラスを使って細部を観れば満足。
演目 鎌倉三代記/伊達娘恋緋鹿子
鎌倉三代記 かまくらさんだいき 局使者の段/米洗いの段/三浦之助母別れの段/高綱物語の段
大阪夏の陣の内容を鎌倉時代に設定。大坂方を京方、徳川方を鎌倉方に。徳川家康⇒北条時政、千代姫⇒時姫 など。時姫の恋心と策略と・・。
伊達娘恋緋鹿子 だてむすめこいのひがのこ 八百屋内の段/火の見櫓の段
八百屋お七の放火事件を題材にした世話物。この演目の中では放火はしないが、火の見櫓に登って火事ではないのに火事を知らせる鐘を鳴らしてしまう。(←重罪)
感想
鎌倉三代記 2hr8minぶっ通し。長い。長いですよ~。でも、確かに、これ以上省いた場面だとなんだか内容が通じなくなるので、仕方がないかと。えっとー、これは誰々で、〇〇のつもりで・・・と時々登場人物がよくわからなくなるのは時代物あるあるなのか、はたまたアタクシの頭が弱いからなのか。
堅苦しいだけかと思いきや「米洗いの段」はコミカルさもとりいれ軽妙。女房おらちの乳房がぽろーんとでたり、節を回しながら米をといだり。舞台のテンポが変わって一つのアクセントに。
時姫の赤い振袖もあでやか・美しい。↓この娘。恋しい三浦之助と夫婦になりたくってけなげでもある。
伊達娘恋緋鹿子 期待通りのおもしろさ。すべりつつも、赤い振袖(=緋色の鹿の子絞り)を振り乱しながらぐいぐいと火の見櫓を登っていく姿は圧巻。気迫が伝わってくるような力強さは狂気じみてもいる。何かの精に化けてしまうのかと思うくらいの激情型の女性ですこと(化けなかったよ)。伊達娘って言葉はあまり見かけないけど、この場合の伊達は「意気や侠気 (きょうき) をひけらかすこと。また、そのさま(デジタル大辞泉より)」ということでしょうか。
それにしても世話物の男はどうして、こう、物をなくしたり、盗んだり、借金したり・・・ダメ男ばかりなんだろうか。
【チケット代】一等席 6,000円